ニコニコ動画に見る、Webサービスの"描き方"

ニコニコ動画は、はじめYoutubeに依存していた。これが”プロトタイプ”。
そして、このプロトタイプは"実物大"だった。だからこそ、これだけの情報が引き出せた。

  • ニーズ。Youtubeのランキングがニコニコ動画に左右されるほどだった。
  • 競合(字幕.inmixi動画)との優位。
  • もっとも懸念されたのは、Youtubeが字幕機能を付けることだったが、その動きがなさそうなこともつかめた。

参考文献 続・昔話9 ニコニコ動画(β)の最期・前編

そして、プロトタイプについてはこんな言葉がある。

ソフトウェアでも同じことができる。プロトタイプはただの模型に留まる必要はない。それを詳細化して、最終的な製品にまで持っていけるんだ。これは可能ならいつでもそうすべきだと思う。この方法は作ってゆく過程で新しいアイディアを入れて行けるし、何より大事なのは、志気を保てることだ。
(中略)
プロトタイプから次第に詳細化してゆく方法が志気に良いのは、常に没頭していられるからだ。ソフトウェアにおける私のルールはこうだ:常に動くコードを持っていろ。一時間後には試せるものを書いていれば、目の前にある見返りによっていつも元気づけられていられる。芸術でも同じだ。特に油彩画では。多くの画家はぼんやりしたスケッチからはじめて徐々に細部を描き込んで行く。この方法を取れば、原理的に画が未完成に見えるまま一日が終るということが無い。実際、画家の間でよく言われるせりふがある。「画には終りがない。ただ描くのを止めるだけだ」。ソフトウェアの仕事をしたことのある人なら、この考えはよくわかるだろう。
Paul Graham著、Shiro Kawai訳、 "デザインとリサーチ"

まとめ。

  • Webサービスはさっさとプロトタイプを公開するのが吉。
  • 最高のプロトタイプは実物大。
  • プロトタイプは志気を保つ。